みなさん、こんにちは!マネージャーです。
今日は先日のコロンビアのコーヒーのお話の続きをさせて頂きたいと思います。
まず先日のブログでコロンビアのコーヒーで今現在一番多く栽培されている品種が『カスティージョ』だとお話致しましたが、今日はそのカスティージョについてのお話です。
コーヒーの品種はいくつもありますが、私たちが口にするコーヒーの品種としては大きく分けて2つ、アラビカ種とロブスタ種があります。そしてその2つにはそれぞれ特徴があります。
アラビカ種・・・コーヒーの風味は良いが、病気に弱い。
ロブスタ種・・・苦みが強くアラビカ種より風味が劣るが、病気に強く収穫しやすい。
コーヒーの栽培の歴史は、コーヒーの病気との闘いの歴史でもあります。
特にコーヒーにとっては最大の敵ともいえる、『さび病』。
コーヒーの栽培が開始されたころから現在にいたるまでずっと生産者はこのさび病と戦っています。
そこで人々は、
『アラビカ種のように風味が良いコーヒーで、なおかつロブスタ種のようにさび病にも強くて収穫もたくさんできる品種はないだろうか?』
と考えるわけです。アラビカ種とロブスタ種の両方の良いとこどりをした品種ですね。
そうして昔から様々な国々で、新たな品種の探索や新たな品種の改良の研究が行われるようになりました。
『じゃあ、アラビカ種とロブスタ種をかけあわせたら、両方の良いところを持った新しい品種ができるんじゃない!?』
と思うのですが、実はそう簡単にはいかず・・・。
なぜなら、アラビカ種とロブスタ種は自然交配ができないらしいのです・・・。
自然交配ができないということは、アラビカの花粉がロブスタの花についても実がなることがないということらしいんです・・・。
え~っ!?なんで!?
と思いますよね。
どうやらアラビカ種とロブスタ種は、染色体の数が違うらしく、
アラビカ種は44本、ロブスタ種は22本。
なので残念ながら、アラビカとロブスタのかけあわせは無理・・・・ということになります。
(なんで染色体の数が違うとだめなのか、などなど、もっと理科の勉強をしておけばよかったと今になってつくづく思います・・・。)
が、しかし!!
アラビカ種とロブスタ種の交雑種が、なんと、東ティモールで見つかったのです!
え!?染色体の数が違うから交配しないんじゃないの!?
と思いますよね?
どうやらこの交雑種は、『たまたま染色体が44本になったロブスタ種』と『アラビカ種』があわさることでできあがったらしいのです。
奇跡の出会いですよね。
そして、その交雑種(ハイブリッド)は、『ハイブリッドティモール』と呼ばれるようになります。
ハイブリッドチモールはさび病に強くてアラビカ種と交配できる!という品種ではあるものの、風味はアラビカのようではなかったらしく・・・。
こうしてさび病に耐性を持つハイブリッドチモールをもとに、品種改良が盛んになっていきます。
『ハイブリッドチモール』と『カツーラ』(ブルボンの突然変異)の交配によって『カチモール』という品種ができ、そのカチモールとカトゥーラの交配で、『バリエダコロンビア(コロンビア)』ができました。
コロンビアではもともと、ティピカやブルボン、カツーラ等のコーヒー栽培が盛んであったのが、ひと昔前に今までのコーヒーの樹からヴァリエダコロンビアへの植え替えがかなり進みました。
しなしながらバリエダコロンビアはさび病には強いもののカップクオリティが低く、残念ながら評価にあたいするものではありませんでした。
そこで、バリエダコロンビアにかわるより風味の良い品種改良品として出てきたのが、「カスティージョ」です。
カスティージョは、コロンビアコーヒー生産者連合会によると、カトゥーラとハイブリッドティモールの5世代に及ぶ品種改良の結果、2005年にCenicafe(FNCコーヒー研究所)によって開発された品種で、収穫量も多くさび病に強いのが特徴。風味も少しづつよくなっているようで、COE(カップオブエクセレンス)などの品評会で入賞するものも出てきてはいます。
コロンビアでもブラジルや他の国々と同じくコーヒー生産者の農業離れに大きな問題があるようで、さび病にも強く収穫が安定するカスティージョは農家さんの収入という意味ではとても重要です。
一方で、まだまだカスティージョは風味の上で劣る部分がまだまだあると言う意見も多々あり、今後はどうなっていくのでしょうか。目が離せませんね。